島田 勇子 | Yuko Shimada

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メタセコイアの並木路

何の予感もせず笑いながら歩いた

ただ夕暮れだけが綺麗だった

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どうでもいいって

言われるたび

りちぎに哀しい顔してる自分に、

どうでもよくないよ、って

真剣に言う

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年が明けて最初に飲んだのは

旅先のホテルの部屋の

エスプレッソマシンで淹れた珈琲で、

最初に撮ったのは ホテルそばの車道脇、

細くて乾いた街路樹の写真だった。

ウィーンの街でナイトクルージングを

口ずさみながら考える。

年が明けても、

やっぱりわからないことがたくさんあって

私は、無造作以上に美しいものを知らない。

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