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71 こたえを見つけたような気になって ことばを拾ったことも忘れていく 大事なものを 大事そうに抱える違和感 ほのぐらい不穏の空

72 柔軟剤と煙草の匂いの混ざった 朝の風景に身を投げた 思いやりにみせかけたとどめのようで 苦くて飲めやしないと思いながら ブラックコーヒーに口をつけて ダンデライオンは タンポポだと知った十代の時間 今と変わらず タイミングを外して ひとり遊んだりしてた

82 余裕の袖はするすると シルクのリボンのように ほどけ落ちていって その夜手の中には すっかり何も残らなかった

71 こたえを見つけたような気になって ことばを拾ったことも忘れていく 大事なものを 大事そうに抱える違和感 ほのぐらい不穏の空
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